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未勝利日記

過去の日記

2014-09-09 デュアル!ぱられルンルン物語

_ エヴァンゲリオンをあからさまに意識した梶島作品

これはなかなかとんでもない作品だ。1999年の作品だが、かなり直接的に「新世紀エヴァンゲリオン」を意識している(ように見える)。しかし、そこは梶島正樹原作であり、どうしようもなく梶島正樹なのである。

私がこの作品を見ようと思ったのは、エヴァの模倣だからではなく、主人公の顔をバンダイチャンネルの見放題入りで見て、これは天地じゃないかと思ったからである。そして、天地ではなかったが、梶島正樹だったので見たわけだ。

「天地無用」は梶島正樹の代表作であり、私の大好きな作品なのである。そして、こうして「デュアル!ぱられルンルン物語」を見てみると、TV版エヴァンゲリオンとの対比が非常に分かりやすい。まあ、梶島正樹とエヴァの世界は水と油というか、正反対というか、実に相容れない。

ところで、この作品は作画が非常によいという訳ではないが、料理は旨そうである。卵かけご飯の作画にこれだけ力を入れた作品は他にあるまい。肉じゃがもうまそうだった。

そしてこれはハーレムアニメである。エヴァのパクリがどうしてハーレムアニメになるのか。それは梶島正樹だからである。天地の家の風呂のようにぬるま湯の世界なのである。どんなに世界がピンチになろうとも、視聴者は決して焦ったりしない、梶島作品だから。緊張感がないのである。でも、そこがいい。エヴァだったら、人間が二人いるだけで緊張感が漂う画面になるが、そうはならない。

梶島ワールドでは、すごく説明的という訳ではないが、すべてに説明が用意されている。明らかに梶島正樹は設定厨の部類に属するのだ。その世界がまた魅力的である。特に天地無用の世界は魅力にあふれている。まあ、このアニメの場合はパクリという制約があるのでそれほどでもないが、世界設定の安定感はまさにエヴァと対抗するものである。

エヴァの場合は故意に世界設定が破綻させられているわけで、そこはもう方向性の違いとしか言いようがない。エヴァを見るのは緊張を強いられるが、梶島ワールドには緊張など不要なのである。だってハーレムアニメだし。

この作品は、水が油のパロディをやろうとして失敗した作品というのが正しい評価なのかもしれない。でも、DVD特典の14話(バンダイチャンネルでは配信された)は、エヴァに対する批判的回答を含んでいると思う。SFとして。

_ 風呂に入ってから追記

親子関係はエヴァでは重要だが、ぱられルンルン物語には親子関係なんて重要ではないというメッセージすら見られる。設定の関係で、主人公は親に知らないと言われるが、あっさり受け入れてその後は親は登場しない。

セックスはエヴァの主要な要素のひとつだが、ハーレムアニメにも拘わらず、ぱられルンルン物語には不要な要素である。本当なのだ。朝、男の子の部屋にパジャマ姿の女の子がいるという状況は、エロシーンの始まりではなく、ツンデレ担当が嫉妬してドタバタというシーンの始まりなのである。

なお、女の子と二人でロボットを操縦というシーンが最もエロいシーンだが、台詞でも音楽でも画像でもエロシーンらしい演出はない。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]
_ とし兵衛 (2015-07-15 13:28)

梶島さんは知りませんが、想像するだけで楽しめる作品紹介、 <br>ありがとさんです。


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